
世界的な乳製品消費の高度化が進む中、とりわけアジア市場では、消費者の嗜好が変化しつつあり、高付加価値型や新しい乳製品への購入意欲が高まっています。
例えば中国では、乳製品に対する多様な栄養ニーズの高まりを背景に、乳用ヤギや乳用ヒツジ産業が拡大を続けています。その結果、アルファルファのような高品質な粗飼料製品は、これらの家畜の飼養管理において、より科学的かつ精密に活用されるようになっており、家畜の健康状態の改善や乳生産品質の向上に役立てられています。
2021年末、西北農林科技大学(Northwest A&F University)の乳用ヤギ産業技術革新チームは、「異なる種類のアルファルファが泌乳中の乳用ヒツジの生産成績に与える影響」に関する研究試験を実施しました。この試験は、中国北西部にある代表的な乳用ヒツジの実験・実証農場で行われました1。
研究チームは、異なる製造方法で生産された粗飼料が乳用ヒツジの生産成績に及ぼす影響を評価するため、60日間の飼養試験を実施しました。同じ泌乳ステージにある健康な乳用ヒツジ48頭を選抜し、無作為に2つのグループへ分け、それぞれ24頭ずつを割り当てました。さらに各
グループを3つの反復サンプル区に分け、1区当たり8頭を供試しました。
試験では、主なアルファルファ源として、スペイン産の高品質な乾燥脱水アルファルファと、米国産の天日乾燥アルファルファをそれぞれ給与しました。両製品は、粗タンパク質(CP)含有量および相対飼料価値(RFV)が同等となるよう選定されています。
また、両タイプのアルファルファは、その他の濃厚飼料原料と同じ割合で配合され、ペレット飼料として調製された後、サイレージと併せて給与されました。


出典:西北農林科技大学 乳用ヤギ産業技術革新チーム
試験期間中の記録および分析結果によると、両アルファルファ給与区の1日当たり飼料摂取量にはわずかな変動が見られたものの、有意な差は確認されませんでした。
また、本試験期間中の乳量の推移も両グループで非常によく似た傾向を示しました。なお、試験期間中はいずれのグループでも乳量が減少しましたが、これは泌乳の進行に加え、冬季への移行に伴う大幅な気温変化による影響と考えられています。
乳成分についても分析が行われましたが、乳脂肪率、乳糖含有率、乳タンパク質含有率などの最終的な数値において、両試験区の間に有意な差は認められませんでした。
これらの結果から、本研究では、アルファルファが乳用ヒツジの生産成績に与える影響は、乾燥方法そのものによって決まるわけではなく、アルファルファの品質および栄養価に大きく依存するという結論となりました。
この点は、前回紹介した、乳牛を対象とした試験結果とも一致しています。欧州乾燥脱水飼料作物は、少なくとも同等の粗タンパク質(CP)および相対飼料価値(RFV)を持つ他のアルファルファ製品と比較して、同等の栄養価と生産成績を提供できることが確認されました。
さらに、高温乾燥脱水技術を活用した成熟した製造プロセスにより、品質の均一性や優れた衛生管理水準という利点を備えており、酪農分野をはじめとするさまざまな畜産分野の利用者に対して、さらなる付加価値を提供することが期待されます。
EUの共同資金支援を受けFILIERAとAEFAが実施している「EU乾燥脱水飼料作物~スペイン・イタリアから~」キャンペーンでは、高品質なEU乾燥脱水飼料作物の特長や持続可能な生産への取り組み、さらには実際の活用事例について、継続的に情報を発信しています。
キャンペーン活動への参加やEU乾燥脱水飼料作物に関する詳細情報をご希望の方は、キャンペーン公式ウェブサイト(www.eufodder.com)をご覧いただくか、japan@eufodder.comまでお気軽にお問い合わせください。また、ぜひ同僚や関係者の皆様にも、ニュースレターへのご登録(https://eufodder.com/ja/ja-contact-us/)をご案内ください。
- 「異なる種類のアルファルファが泌乳中の乳用ヒツジの生産成績に与える影響(探寻不同类型苜蓿对泌乳奶绵羊生产性能的影响)」、西北農林科技大学 乳用ヤギ産業技術革新チーム提供データ(スペインAEFA経由)、2026年8月参照。 ↩︎

