
最新の統計によると、2026年1月から6月までのEUの日本、インドネシア、台湾、ベトナム向け飼料輸出量は約48,545トンとなり、2025年同期間の44,157トンと比べて9.9%増加しました。
輸出総額は約1,095万ユーロから1,161万ユーロへと増加し、対前年比5.9%の成長を記録しました。しかし、この全体的な増加の背景では、市場ごとに大きく異なる結果が見られました。

日本:

参照:Eurostatデータを元に独自に作成
2026年上半期、日本向け輸出は約46,215トンに達し、対前年同期比11.6%増となりました。輸出額も5.8%増加し、約1,086万ユーロとなりました。
イタリアとスペインはどちらもこれまで同様EUの主要な供給国ですが、両国の差は縮小しています。
イタリアの対日EU産輸出量シェアは、前年の51.3%から46.6%へ低下しました。一方、スペインは37.8%から41.5%へシェアを拡大しました。輸出額ベースでは、2026年上半期においてスペインの輸出額がイタリアをわずかに上回りました。
製品構成にも変化が見られます。2025年には、日本向け輸出量の約52%をペレット製品が占めていましたが、2026年にはその割合が約48.5%まで低下しました。一方で、ベール製品の割合は51.5%となり、ペレット製品を上回りました。
インドネシア:

参照:Eurostatデータを元に独自に作成
欧州乾燥脱水飼料作物の輸入市場としてはまだ発展途上にあるインドネシアにおいて、単一の主要供給国への依存から複数のEU加盟国が参加する市場構造へと変化していることは、特に注目すべき動きです。
2026年上半期のEUからインドネシア向け輸出量は約1,045トンとなり、2025年の同期と比べて41.6%増加しました。輸出額はさらに大きく伸び、約365,000ユーロと対前年比72.8%増となりました。ただし、もともとの輸出規模が小さいことも考慮する必要があります。
欧州域内の供給国構成も大きく変化しています。
2025年上半期には、イタリアがEUの対インドネシア飼料輸出量の約83.6%を占めていました。しかし2026年には、スペインが約647トンを輸出し、全体の61.9%を占める最大の供給国となりました。これに続き、リトアニアが約16.2%、ポルトガルが10.4%を占める一方、イタリアのシェアは約6.9%まで低下しました。
製品別では、ベール製品が引き続き市場の中心であり、EUからの輸出量全体の約92.6%を占めています。ペレット製品の割合は7.4%にとどまっていますが、前年同期の3.3%と比較すると増加しており、徐々に存在感を高めています。
台湾:
アフリカ豚熱(ASF)の影響によるスペイン産飼料の輸出停止を受け、EUの台湾向け飼料貿易はほぼ停止状態となっています。2026年上半期における輸出量はわずか約2.4トンにとどまり、輸出額も約5,900ユーロでした。これらの輸出のほぼすべてはオランダからのものであり、アルファルファミールおよびアルファルファペレットについては、目立った輸出実績は記録されていません。
ベトナム:

参照:Eurostatデータを元に独自に作成
ベトナム市場はほかの市場とは異なった動きを示しています。
EUから対ベトナムへの飼料輸出量は、2025年上半期のわずか243トンから、2026年には約1,282トンへと増加し、対前年比427%という大幅な成長を記録しました。輸出額も約66,000ユーロから約376,000ユーロへ増加し、474%の伸びとなりました。
2025年には、スペインがEUからベトナムへの輸出量の約70%を占め、イタリアは約30%でした。しかし2026年には、イタリアの輸出量が約1,060トンまで急増し、市場シェア82.6%を獲得しました。これが同市場の成長を牽引する主な要因となりました。
製品構成も多様化しています。2025年上半期には、ペレット製品がEUの対ベトナム輸出量の約81%を占めていましたが、2026年にはその割合が45.7%まで低下しました。一方、ベール製品の割合は19%から54.3%へと大きく上昇しました。
つまり、ベトナム市場の成長は単なる輸出量の増加だけでなく、より幅広い種類の粗飼料製品が市場に流入しているといえるでしょう。
こうしたアジア市場での動きは、欧州の乾燥脱水飼料作物業界自体が変化する生産環境に直面しているなかで生じています。
欧州の生産者および輸出業者にとって、今後の成長の機会は単に輸出量を増やすことだけではなくなっています。市場アクセスの確保、安定供給、多様な製品ラインアップ、そして各市場の畜産農家が求める栄養面および運営面のニーズに対応する能力が、今後ますます重要になるでしょう。
アジアの畜産業が今後も発展を続ける中で、一貫した品質管理がなされ、トレーサビリティが確保された専門的な加工粗飼料製品を供給できる欧州の強みは、飼料品質と安定供給への重要性が高まる市場において、引き続き大きな競争優位性となり得ます。
EUの共同資金支援を受けFILIERAとAEFAが実施している「EU乾燥脱水飼料作物~スペイン・イタリアから~」キャンペーンでは、高品質なEU乾燥脱水飼料作物の特長や持続可能な生産への取り組み、さらには実際の活用事例について、継続的に情報を発信しています。
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