生産方法や原産地は飼料作物の有効性を左右するか

2021年、国際貿易を取り巻く環境が複雑化する中、世界有数(上位3か国)の飼料輸入国である中国では、高品質な飼料作物の調達先を多様化する必要性が高まっていました。こうした状況を受け、中国・河南農業大学の高品質飼料作物・健康畜産科学技術イノベーションチーム(Professor Yinghua Shi 率いる研究グループ)は、中国の酪農業界が安定した新たな高品質飼料作物の供給源を評価・比較し、その活用を広げることを目的として研究を行いました。

研究チームは、中国を代表する大手乳業企業の牧場において、「Effects of Feeding Different Alfalfa Hays on Milk Production Performance, Milk Quality, and Rumen Fermentation in Dairy Cows(異なるアルファルファ・ヘイの給餌が乳牛の乳量、乳質および第一胃発酵に及ぼす影響)」と題した比較給餌試験を実施しました1

この実験では、スペイン産乾燥脱水アルファルファと米国産アルファルファ乾草を管理された条件下で比較し、それぞれの原産地および乾燥方法の違いが乳量や経済性に与える影響を評価しました。

実験では、体重、乳量、産次数がほぼ同等の泌乳中期のホルスタイン種乳牛360頭を選抜し、無作為に2群へ分けました。10日間の馴致期間に続き、60日間の本実験を実施しました。両群とも飼料設計は同一で、唯一の違いは給餌するアルファルファのみでした。一方の群には米国産アルファルファ乾草、もう一方には品質指標が同等のスペイン産乾燥脱水アルファルファを与えました。

この実験の60日目に実施した乳質分析では、両群の間に有意な差は認められませんでした。乳成分、乳脂肪率、乳タンパク質率、体細胞数を比較した結果、いずれの項目においても一方が優れているという結果は得られませんでした。

この実験結果は、アルファルファが乳牛の生産成績に及ぼす影響は、原産国や乾燥方法(天日乾燥か乾燥脱水か)によって決まるものではなく、品質評価指標に基づく飼料品質および栄養価に大きく左右されることを示しています。また、乾燥脱水アルファルファは他の乾草と同等の品質と生産成績を示すことが確認されました。これらの結果は、乾燥脱水飼料作物の品質に対する市場の懸念の一部が、実際には誤解や認知不足に基づくものであることを示唆しています。

参照: 河南農業大学 高品質飼料作物・健康畜産科学技術イノベーションチーム

また、EU乾燥脱水飼料作物には、利用効率や品質の均一性という点で優れた特長があります。EU乾燥脱水飼料作物は一般的に繊維長が短く、これは採食量に悪影響を及ぼすものではありません。むしろ、適度な繊維長であるため、農場で追加裁断を行う手間を省くことができ、TMR(完全混合飼料)の均一性向上にも寄与します。

さらに、管理された高温乾燥脱水工程により製品品質の均一性が高まるとともに、潜在的な微生物や害虫を効果的に不活性化することができます。また、水分含量が低いため製品の保存安定性が向上し、輸送・保管中のカビ発生リスクを大幅に低減します。

EUの共同資金支援を受けFILIERAとAEFAが実施している「EU乾燥脱水飼料作物~スペイン・イタリアから~」キャンペーンでは、高品質なEU乾燥脱水飼料作物の特長や持続可能な生産への取り組み、さらには実際の活用事例について、継続的に情報を発信しています。

キャンペーン活動への参加やEU乾燥脱水飼料作物に関する詳細情報をご希望の方は、キャンペーン公式ウェブサイト(www.eufodder.com)をご覧いただくか、japan@eufodder.comまでお気軽にお問い合わせください。また、ぜひ同僚や関係者の皆様にも、ニュースレターへのご登録(https://eufodder.com/ja/ja-contact-us/)をご案内ください。

  1. 探索西班牙脱水苜蓿的营养价值和经济效益优势。『Holstein Farmer』誌(河南農業大学 高品質飼料作物・健康畜産科学技術イノベーションチーム提供の関連情報および統計データ)、2026年6月参照 ↩︎

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