EU乾燥脱水飼料作物がアジアで販売を開始

EUの資金提供を受け、スペインとイタリアのEU乾燥脱水飼料作物のキャンペーンが、アジア4カ国(日本、台湾、ベトナム、インドネシア)で展開されることとなった。このキャンペーンは3年間のプログラムとなっており、品質の高い、サステナブルなEU乾燥脱水飼料作物とその製品について認知度を高めることを目的としている。見本市、セミナー、ワークショップ、EUへの研修旅行など、さまざまな活動が展開される予定だ。

飼料作物の生産は、何世紀にもわたりヨーロッパの景観の一部であり、また環境にも大きく貢献してきた。飼料作物はウシ、バッファロー、ヒツジ、ヤギなどの反芻動物やウマ、ラクダ、ウサギなどの草食動物にとって不可欠な栄養源である繊維、タンパク質、エネルギーを供給することから、主に酪農分野で使用されている。

飼料作物を加工・貯蔵する方法には、主にサイレージ、天日干し、ドライヤーによる乾燥の3種類がある。サイレージは飼料作物を刻み、発酵させてラップするという最も単純な方法だが消費期限が短い。天日干しは、飼料を畑で乾燥させるもので、その間の天候に影響を受けやすい。これに対し、ドライヤーによる乾燥脱水は、飼料を乾燥脱水プラントで熱処理するため、より衛生的であり、水分を最低限に抑えることができるという利点がある。

ドライヤーによる乾燥脱水はEUでは一般的な生産方式で、EUから輸出される製品のほとんどはこの方式で乾燥脱水している。天日干しやサイレージによる飼料はEU域内の市場では消費されているが、輸出については米国やオーストラリア、カナダといった国々と比べて少ない。

この度のキャンペーンは、スペインの飼料協会(AEFA)とイタリアの企業(FILIERA)で構成されている。

1984年に設立されたAEFA(Asociación Española de Fabricantes de Alfalfa Deshidratada)は、スペインの乾燥脱水アルファルファ製造者協会であり、スペインの乾燥脱水飼料作物セクターを代表する唯一の組織である。スペインの乾燥脱水アルファルファ製造業者の90%以上が加盟し、スペイン国内の乾燥脱水アルファルファセクター、加盟業者やその製品に関するプロモーション活動や販売を行っている。

FILIERA(Filiera Italiana Foraggi Soc. Consortile A R.L.)は、1958年に設立されたイタリアで唯一の乾燥脱水飼料作物チェーンを代表する業界団体であるAIFE(Associazione Italiana Foraggi Essicati イタリア乾燥脱水飼料協会)のスピンオフ団体で、乾燥脱水飼料作物の生産者や商社など25社とAIFEからなるコンソーシアムとして2015年に設立された。FILIERAは、会員の成長と発展を促進するため、プロモーション活動や支援活動を実施している。

両組織は、欧州の乾燥脱水飼料作物団体の作業部会であるCIDE(Commission Intersyndicale des Déshydrateurs Européens EU乾燥脱水飼料作物協会連合)のメンバーであり、欧州機関の「透明性に関する登録簿」に登録されている非営利団体である。現在、スペイン、イタリア、フランス、ドイツ、デンマーク、ブルガリア、オランダの7つの国別組織が名を連ね、合計160社の乾燥脱水業者が参加している。

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