サステナビリティ

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サステナビリティ(持続可能性)は、アルファルファやライグラスの栽培が最も得意とする分野である。

アルファルファやライグラスは生物多様性に貢献し、スペイン、イタリアどちらの国でも遺伝子組み換えや窒素肥料を使用しない栽培が行われている。 農薬の使用量も少なく、温室効果ガス削減に貢献し、土壌浸食を軽減する。さらにまた、農村地域の産業として地域の経済を支える上でも大きな影響を与えている。

サステナビリティとは

FAO(国連食糧農業機関)やEUは下記のように定義している

“To be sustainable, agriculture must meet the needs of present and future generations, while ensuring profitability, environmental health, and social and economic equity. Sustainable food and agriculture (SFA) contribute to all four pillars of food security – availability, access, utilization and stability – and the dimensions of sustainability (environmental, social and economic).”

「持続可能であるためには、農業は今だけでなく、未来のニーズを満たし、収益性、環境の健全性、社会的・経済的公平性を確保しなければならない。持続可能な食料・農業(SFA)は、食料安全保障の4つの柱(入手可能性、アクセス、利用、安定性)と環境、社会、経済における持続可能性のすべてに貢献することを目指す。」

また持続可能な開発(発展)の定義は下記の通り

 “The management and conservation of the natural resource base, and the orientation of technological and institutional change in such a manner as to ensure the attainment and continued satisfaction of human needs for present and future generations. Such sustainable development (in the agriculture, forestry, and fisheries sectors) conserves land, water, plant and animal genetic resources, is environmentally non-degrading, technically appropriate, economically viable and socially acceptable”

「自然資源基盤の管理と保全、また今だけでない未来のニーズの達成と継続的な満足を保証するような形での技術的・制度的変化の方向づけを行う。このような持続可能な開発(農業、林業、漁業部門)は、土地、水、動植物の遺伝資源を保全し、環境的に劣化せず、技術的に適切で、経済的に実行可能で、社会的に受け入れられるものでなければならない。」

 

環境面におけるサステナビリティ

  • アルファルファなどEU飼料作物は117種の鳥類が餌、隠れ家、繁殖に利用しており、生物多様性の向上に貢献している
  • アルファルファは5年間にわたって土地を耕す必要がないためトウモロコシ栽培と比べると浸食は16分の1と少ない。
  • EUでは遺伝子組み換え作物を使用しておらず、窒素肥料を必要としないため、硝酸塩による水質汚染を避けることができる

  • アルファルファは年間9トン/haのCO2(地下部で1.5トン、根で0.75トン、地上部で6.75トン)削減に貢献温室効果ガス排出を緩和し、グリーンフィルターとして機能する

  • 除草剤や植物の病害対策となる薬剤をほとんど必要としない

  • アルファルファの生育は少なくとも5年間続くため、長期間にわたって景観を「緑豊か」にすることが可能

経済面、社会面におけるサステナビリティ

  • 乾燥脱水飼料作物部門は、欧州において経済的に非常に重要である。EUは世界第2位の主要輸出地域であり、スペインとイタリアからの輸出総額は、EU域内貿易を含むFOB価格を考慮すると、2022年には5億5,000万ユーロに達する(第3市場が輸出の大半を占める)。
  • 飼料産業は、農村部における過疎化を抑制し、雇用を創出する産業であり、ヨーロッパ地域の社会的持続可能性に貢献している
  • CIDEの報告によると、乾燥脱水飼料作物部門はEUの約4万人の農家の雇用確保に貢献している。またAEFAやFILIERAによると、乾燥脱水工場はスペインで4,000人以上[1]、イタリアで1,500人[2]の直接雇用を生み出している。

AEFAFILIERAイニシアチブ

ヨーロッパの主要飼料作物生産地であるスペインのアラゴン州では、アルファルファのおかげで移動放牧の群れの30%が生存していると推定されている。またArna、AEFA、CITA(アラゴン農産食品技術研究センター)、サラゴサ大学からなるα-MIELワーキンググループは、夏季のミツバチの隠れ家や栄養源としてアルファルファ畑を活用することでアルファルファの栽培が生物多様性への貢献を促進につなげようと試みている。

FILIERAはまた、アルファルファの環境持続可能性における優位性を強調し、文書化することを目的としたプロジェクト「Medi-C-A-Rbonio」のような、さまざまなイニシアチブにも関与してい[3]。このプロジェクトの焦点は、乾燥脱水飼料作物、特にアルファルファの生産過程における炭素計算にあり、地球温暖化緩和への影響を研究する。

[1] AEFA (2023) AEFA en cifras 2023年3月抜粋

[2] Great Italian Food Trade (2021) Italian alfalfa for virtuous fodder 2023年3月抜粋

[3] Life Magis MEDI-C-A-RBONIO 2023年3月抜粋

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